朗読BGM『安吾の新日本地理』④飛鳥の幻―吉野・大和の巻―坂口安吾の歴史三部作の代表的名著

448回視聴  

動画説明 :

④飛鳥の幻――吉野・大和の巻――
海を見たことがないという山奥の子供でも汽車や自動車は見なれているという文化交通時代であるが、紀伊半島を一周する汽車線はいまだに完成していない。また、紀州の南端から大台ヶ原を通って吉野へ現れるには、どうしても数日テクる以外に手がないのである。吉野の入口から自動車にのると上の千本までしか登れない。奥の千本へ行くにもテクらなければダメなんだから、大峰山や大台ヶ原は今もって鏡花先生の高野聖時代さ。交通文明というものに完璧に見すてられている山また山の難路なのである。ところが昔の神々は目のつけ場所がちがう。ここが日本で一番早くひらけていた交通路の一ツなんだね。
 神武天皇が熊野に上陸して最初に辿ったコースがこれだ。そのころの日本人の生活はどんなグアイかというと、当時の日本の王様、大国主だかその子孫だか誰だか知れんが、その王様のいたミヤコがたぶん今の奈良県三輪らしいね。今はそこに大神神社があって大国主を祀っているが、この神社は拝殿があるだけで本殿はなく、否、建築としての本殿はないが、三輪山という四百五十米
メートル
ぐらいの姿の美しい山全体が本殿であり御神体なのである。山上や中腹に巨石がルイルイとあるそうだ。
 三輪から山の辺に沿うて盆地を北上すると天理教の丹波市から奈良へと平野がつづいている。南に向ってはウネビ、耳成、天ノ香具山の大和三山にかこまれた平地があって飛鳥の地があり、そこから山岳になって吉野へ熊野へと通じるわけだ。東の方へは初瀬から宇陀、伊賀を越えて伊勢路へ通じ、西の方へは二上山を経て河内、大阪方面へ通じている。三輪のミヤコをまン中に、交通は四通八達していたらしい。これを古に「山の辺の道」と云い、古記にも、崇神天皇には「御陵ハ山辺道ノ勾之岡ノ上ニアリ」とあり、景行天皇には「御陵ハ山辺之道ノ上ニアリ」とある。


安吾の新日本地理とは
日本歴史の源流は何処に?伊勢神宮か、飛鳥古京か、意外にも遠く飛騨・高山か?埼玉県の高麗神社には何が秘められているのか…。敗戦後10年にも満たぬ昭和20年代後半に、あらゆるタブーを乗り越えた前人未到の地平から古代史の謎に取り組んだ驚くべき業績。敗戦により剥き出しにされた祖国の実像を大胆に描破する日本再発見大紀行。

チャンネル登録是非よろしくお願い申し上げます。

坂口安吾 (さかぐちあんご)とは
偉大なる落伍者!独特の不思議な魅力があり、狂気じみた爆発的性格
本名は坂口炳五(へいご)。昭和の戦前・戦後にかけて活躍した近現代日本文学を代表する作家の一人である。幼稚園の頃より不登校になり、餓鬼大将として悪戯のかぎりを尽くす。求道への憧れが強まり、東洋大学印度哲学科に入学するも、過酷な修行の末、悟りを放棄。世評的には不遇の時代が続いたが、戦後の本質を鋭く把握洞察した「堕落論」「白痴」の発表により、一躍人気作家として時代の寵児となる戦後世相を反映した小説やエッセイ、探偵小説、歴史研究など、多彩な執筆活動を展開する一方、国税局と争ったり、競輪の不正事件を告発したりヒロポン中毒に珍行動と、実生活は波乱含みで世間の注目を浴び続けた。小説の代表作は「紫大納言」「真珠」「白痴」「桜の森の満開の下」「夜長姫と耳男」など。エッセイの代表作は「FARCEに就て」「文学のふるさと」「日本文化私観」「堕落論」「教祖の文学」等享年48歳。

#睡眠用 #作業用BGM #朗読 #小説朗読 #日本文学 #聞く小説 #名作文学 #青空文庫 #音読 #聞く文学 #聞く読書 #文藝春秋 #人生案内 #人生巷談 #日本紀行
#旅行



『するめホタルの青空文庫小説朗読チャンネル』では
青空文庫入りした日本の小説や世界の名作文学等を朗読したものを
日々アップしております。
作業用BGMがわりに、読書がわりに耳で聞く読書を、
睡眠用BGMなどにご活用ください。

基本的に読んでいる作品は私、するめホタルがおすすめする文学作品です。
・昔、国語の教科書に載っていた、
・タイトルだけは知っている、
・作者の名前だけは知っているけれど…
実は読んだことがない知られざる名作をオススメできたらと思います。

♪動画のアップスケジュールは♪

だいたい平日はほぼ毎日短いもの15〜30分程度の
単章に区切ったショートのものをアップ。
土日には長時間続けて聞けるバージョンをアップしております。

⭐︎ぜひぜひぜひチャンネル登録していただけると励みになります!⭐︎

視聴者のみなさまのライフスタイルに合わせて
拙い朗読ではありますが楽しんでいただけると幸いです。

⭐︎読書は好きだけど、最近細かい文字活字を目で追うのがしんどくなってきた!という方にも耳で聞く読書として、聞き流し用の作業用BGMとして聴いていただけると嬉しく思います。

青空文庫入りしている作品で、もしもするめホタルに朗読してほしい!というものがありましたら、コメント等でいただけると嬉しく思います。

ちなみに、朗読のスピードについてですが、私の場合、敢えて早口で喋ってる感じで読んでおります。というのも、朗読って基本的に、すこ〜〜しスロー(遅)すぎやしませんか??というのがせっかちな自分の感想でして…
なので自分のチャンネルでは、なるべく目で文字を追う速度(早め)で
読めたらなと思いながら読んでおりますので、あしからず!

関連動画